前立腺がんの手術では、前立腺を切除する事が行われますが、術後に性機能が損なわれ、EDが起こる場合があります。

このページでは、前立腺がんの手術について、なぜ手術をするとEDになるか、術後のEDや対処法としての治療薬、自己注射について記載しています。

 

前立腺がんの手術

前立腺がんの治療において、手術後に生じる合併症の1つに、勃起障害があります。

治療後は、性機能がいちじるしく低下し、勃起不全が起こりやすいことがわかっています。

前立腺がんの治療法は、年齢、性質、癌の広がり状況、持病の有無等によって異なりますが、主に「放射線療法、手術療法、ホルモン療法」の3つが使われています。

ステージB
  • がんが前立腺内部のみにとどまっている状態
  • 手術療法、放射線療法、ホルモン療法

※それらを組み合わせるケースも

ステージC
  • ガンが前立腺外部に少し広がっている状態
  • 放射線療法、ホルモン療法
ステージD
  • ガンが周囲のリンパ節、骨や他の臓器などに転移している状態
  • ホルモン療法

前立腺がんの治療の中でも、もっとも根治が期待できる治療法が「前立腺全摘出術」です。

前立腺全摘出術は、ほかの多くのがんとは異なり、部分的に切除をする選択ではなく、周囲の組織のも含め前立腺をすべて摘出する手術です。

すべての前立腺を摘出する理由については、前立腺がんを微量でも残すと、臓器内に多発する性質があるからです。

手術法として現在では3つの方式が使われています。

3つの手術
  • 開腹手
  • 腹腔鏡下手術
  • 手術ロボット

ステージにもよりますが、前立腺がんによる手術の成功率はとても高いです。

しかし術後として、勃起不全などの後遺症が残りやすい可能性があります。

 

前立腺がんの手術後 勃起障害

前立腺がんの手術後に生じる勃起障害はなぜ起こるのでしょうか?

理由としては、もともと骨盤内及び腹部大動脈の周辺には臓器や血管、神経が入り組んでいます。

前立腺は非常に近くを走っている勃起神経や血管を外科手術により切除や損傷することで、術後後遺症になる可能性が出てきます。

前立腺の手術で勃起神経や血管をまったく傷つけずに「開腹手、腹腔鏡下手術、手術ロボット」などを行うためには、非常に高度な技術が必要となります。

その他にも、患者の年齢が比較的若かったり、発症の状況、環境などにより個人差で後遺症はかなり変わるとされます。

とは言っても、術後100%の確率で後遺症が残らず、ED発症にならないということはありません。

これは先ほどの記事にも描いているように、前立腺手術の場合は、前立腺をすべて摘出する手術を行うために、どうしても勃起神経や血管、臓器に多少なりとも傷がついてしまうからです。

この点については、前立腺がんに限らず、直腸がんや膀胱がんの手術でも同じことが言えます。

また手術だけでなく、他の治療法である放射線治療でも影響が出ることもあります。

ただし、手術前や手術後すぐでは状態を把握することはできません。経過が進まないと分からないのが現状。

半年から1年ほどEDが続き、約2年ほどでEDが自然治癒で改善できたという話があります。

ただ、基本的に神経を損傷しているため、EDは改善がとても困難で、自然治癒も確率はかなり低いです。

 

術後にED治療薬が処方されることも

術後にEDが続く場合は、ED治療のために開発された薬を取り入れてもいいかと思います。

ED治療薬
  • バイアグラ
  • レビトラ
  • シアリス

前立腺がん術後によって起こるEDにも、バイアグラなどの治療薬は、PDE5の酵素を阻害することで、性器海綿体への血流を改善します。

しかし、有効率は一般に50%程度で、容量を高くしても効き目は約65%しか無いことがわかっております。

勃起神経を温存している場合には治療薬の効き目は多少は期待できるとされていますが、温存することができなかった場合は、ED治療薬の成果は期待できません。

ED治療薬の効き目がない場合は陰茎海綿体自己注射の治療方法もあります。

 

ED患者の陰茎海綿体自己注射は有効

ED治療薬が無効な人が対象で、陰茎海綿体自己注射は有効。

陰茎海綿体自己注射はED治療薬よりも効果率は高いです。

まず陰茎海綿体自己注射について、少し説明をしていきたいと思います。

陰茎海綿体自己注射は、読んで字のごとくで、ペニス内部の陰茎海綿体に注射をする方法です。

やはりポイントになるのが、注射に使われる治療薬。
自己注射の治療薬について、他のページでも少し説明していますが、パパベリンについて記事を書いています。

しかし現在のところパパベリンは副作用が極めて強いために、プロスタグランジンE1を使用する病院や専門クリニックが増えています。

今回はプロスタグランジンE1が使用されている治療薬の陰茎海綿体注射について説明を進めていきたいと思います。

プロスタグランジンE1は、「血小板の凝集抑制」や「血管を広げる作用」の飲み薬の成分として使われています。

しかし、約10年ほど前から、日本性機能学会が陰茎海綿体注射の治療として厚生労働省と交渉を行っていますが、認可はおりていません。

日本性機能学会による、プロスタグランジンE1が含まれた自己注射の実験調査が行われています。

当センターでは、ED治療薬が無効の患者(神経温存例7名、非温存例17名、不明例8名)計32名、平均年齢66歳に、プロスタグランジンE1を病院で陰茎海綿体注射テストして、勃起と勃起の持続も十分であったのが23名(72%)、勃起するが持続がやや不十分なのが6名(19%)、不十分が3名(9%)でした。結局20名が陰茎海綿体自己注射に参加して満足しています。

調査を関節に説明をすると、

  • ED治療薬の効き目がない人でも約70%の効果
  • 平均年齢66歳の方でも勃起維持が期待

バイアグラやレビトラ、シアリスなどの薬は、PDE-5(酵素)の働きを抑えることで、勃起維持に貢献をします。

プロスタグランジンE1は、血管を拡張したり、血流を改善する作用があります。

そのために、ペニスの陰茎海綿体に自己注射をし、プロスタグランジンE1を挿入することで、海線体に多量の血液が流れ込み、勃起や勃起継続につながります。

術後が原因でEDが起こり、治療薬を試しても効き目がない場合は、自己注射による治療の選択を選ぶのも1つかと思います。

調査に参加した患者の1名に2時間以上も勃起持続がつづいたという副作用のデータが残っていますが、次の実験で、薬量を5分の1に減量すると、問題が無く、減量した薬量で自己注射をおこない、正常な勃起維持ができたとのことです。

 

自己注射プロスタグランジンE1の価格は高い

陰茎海綿体自己注射は、日本の認可を得ていません。
そのために、保険適用外となります。

当然、保険が適用されないので、陰茎海綿体注射をお金を出して購入する場合は自己責任で行うということになります。

病院や専門クリニックにより費用はかなり異なるかと思いますが、一般的に注射1本あたりの価格が約4000円で処方されています。

けっして安い価格ではありません。
そのため、術後によるED治療については、まず焦らずに自然治癒で様子を見るという手段をとり、半年、一年経過しても、改善のよちが内場合にバイアグラやレビトラ、シアリスなどの専門の薬を試してみる。

この段階で100%とは違えども、多少の効き目があるのなら、そこで満足するのも1つかと思います。

たとえ、術後以外の器質性EDや精神EDで悩まされている人でも、ED治療薬で改善されない方もいます。

完璧を追求してもきりがありません。

それでもなお、ED改善を求めたい場合に、病院や専門クリニックに足を運び、陰茎海綿体自己注射という方法になります。