一昔前までは不妊の原因は女性側の問題とされていましたが、現在は半数以上近くが男性不妊が関係していることがわかっています。

しかし、男性側による不妊の原因は、精子をつくる過程に影響し精子数や濃度、運動率などです。

このようなことが大きく影響し、性生活上の問題にも関わり、より不妊率が悪化しやすくなります。

この中で、最も男性不妊の原因として関係するのが「造精機能障害」と呼ばれる病態です。

造精機能障害とは?

造精機能障害とは、正常で受精可能な精子が作られない、字の通りの意味で、精巣など精子を造る機能に障害が現れ精子をうまく作れなくなり不妊症の可能性が高くなります。

2015年6月より不妊症定義が2年から1年に変更しましたが、男性不妊の原因の約80%と大部分を占めて造精機能障害です。

その為、睾丸で問題が起こると、精液がつくられなかったり、精子の生産能力の低下や運動率や数が減少し、不妊の原因に結びつきます。

造精機能障害でよく起こるのが、精液の中に精子はいるけれど、その数が少ないということ。

これを乏精子症と呼びます。

乏精子症とは

乏精子症とは、精液検査で精液中の精子濃度が低い状態を言います。

肉眼で確認することはもちろんできませんが、一般的に精子の数は、1ml中の精液に6000~8000万/1ml個以上です。

自然妊娠を望む精子の数は4000万/1ml個以上が目安としています。
※精子運動率50%

しかし、造精機能障害による乏精子症の定義は、精子数が1500万/1ml個以下で、1000万/1ml個以下は中度の乏精子症、100万個以下は重度の乏精子症と診断されます。

精子の数が少ないと卵子と出会うことができず、不妊の回数が増えやすくなります。

ただし、必ず乏精子症になると不妊症というわけではありません。

そもそもなぜ造精機能障害が起こるのでしょうか?

造精機能障害の原因

男性不妊の原因の多くを占める造精機能障害は、現在のところ原因が特定できないものから、軽度な乏精子症から無精子症など種類は様々です。

特発性造精機能障害

造精機能障害の原因の約50%を占めているのが突発性造精機能障害です。

突発性造精機能障害の意味は、特定できない、つまり原因が不明で精子をうまく作れない病態を言います。

精索静脈瘤

原因不明が約50%に対して、原因が明確に分かっている中で約30%以上にのぼり、最も高いのが精索静脈瘤です。

精索静脈瘤は血液が逆流して、睾丸周辺が過剰にあたたまりすぎてしまい、精巣の温度上昇が起きます。

すると、精子がうまく作れないことが原因です。

また、睾丸上部に流れる静脈の精索静脈瘤の右側と比較して、圧倒的に左精索静脈に発生しやすいこともわかっています。

その他、

  • 投与量が多い抗がん剤投与
  • 放射線治療
  • 男性生殖器に外科的手術

このようなことが影響して、一時的に無精子症になる恐れがあり、不妊症がわかっています。

精子を精液検査

では自分本人が造精機能障害なのか、そうではないのかを確認するにはどうすればいいのか?

やはり病院やクリニックで男性不妊症の専用検査を受けることになります。

先ほども記載しているように、造精機能障害とは、精子をつくる過程に影響し「精子の数や濃度、運動率」などが一般とは違い異錠をきたすことで、不妊に影響します。

その違いを調べるために、検査が必要になります。

基本的に造精機能障害と男性不妊検査方は同じで、精液検査を行います。

約1週間ほど禁欲し、たまった精子を射精し専用の容器に採取し、検査が行われます。

ただし、その射精をするためには、どこで行うのか?
ということになりますが、担当の病院やクリニックで異なるとは思いますが、一般的に専用の室内で一人オナニーを行い摂取するパターンと自宅に容器を持ち帰り採取し3時間以内に提出する方法があります。

1週間後に詳しい結果がわかります。
一般精液検査と初診料含め1000~1300円(保険診療)です。

造精機能障害の治療方法

造精機能障害の原因で改善するための治療も異なりますが、基本的には薬物療法と手術療法の2種類です。

薬物療法は「ビタミン、漢方、抗酸化剤」

薬物療法による治療方法として、ビタミン剤や漢方製剤、抗酸化剤が主に使われます。

ビタミン剤
  • ビタミンB12
  • ビタミンE
  • ビタミンC
漢方薬
  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
  • 八味地黄丸(はちみじおうがん)
  • 牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)
抗酸化剤
  • カリクレイン
  • コエンザイムQ1

この3種類の薬物が処方される場合は、造精機能障害の原因の場合に用いられることが多いです。

そのために、薬を服用しても効果が絶対あるかどうかの確実性はわかりません。

薬物療法にて幸い妊娠にいたる症例もありますが、あくまでも期間を設けて内服し、効き目を確認していく治療法と理解したほうが良いです。

精索静脈瘤の手術に顕微鏡下低位結紮術

手術療法について、現在有効性が認められているのは精索静脈瘤に対する手術です。

精索静脈瘤の手術について、顕微鏡下低位結紮術(けんびきょうかていいけっさつじゅつ)を使う方法です。

現在国内外を問わず幅広く行われるようになってきている方法です。

顕微鏡下低位結紮術の特徴は、10~30倍の拡大率で手術を行い、血管・精管が通る缶を切開し、精子を体外射精します。

手術により約60%の精索静脈瘤患者さんの精液所見が改善したという報告がでていますが、実際のところ妊娠にはどれくらいの確率で繋がったかまでの数字は残っていません。

男性不妊の原因がはっきりとわかっていないために、改善の仕様にもつながってきません。

とはいえ、何もしないよりも、病院から処方されるビタミン剤や漢方などを服用することで精子数や運動が正常に回復した例もあります。

それでも効き目が出ない場合に手術という方法もありますので、先々の子供のためにも、医師に相談をすることが重要になります。